【古市街道】 自転車走破の道程⑤ ~古市参道街道資料館~
自転車で行く古市参道の旅もここでようやく中間点です。
まさに「街道」という住宅街を行く道と
鳥羽と松阪を結ぶ県道37号線の交わるところにあり、
一気に視界が開けます。
広い駐車場もありますので、
疲れた足腰を伸ばす休憩タイムにももってこいです。
入館は無料ですので
「あまり伊勢の歴史に興味ないな」という方も
お気軽に入ることができると思います。
館内はもちろん、古市の歴史についての資料館なのですが、
古市以外の伊勢の姿も見えてきます。
↓↓写真のような古地図から、昔の河崎の様子などなど…。
古市の様子をちょこっと垣間見することも、
伊勢の歴史の中の神宮以外の細かな部分を見つけることも出来て、
伊勢ビギナーさんから歴史大好きなコアなファンの方まで
幅広くお楽しみいただけるレアな資料館だと思います。
また、古市を知ることで「神宮意外の伊勢」を知ることも出来ます。
「ブラタモリ」の伊勢の回でタモさんが
「聖と俗」という風習にスポットライトをあてられて、
神宮参拝だけではない伊勢を番組で紹介できたそうです。
(ブラタモリのガイド役だったC先生談)
(さすがはタモさんですよね。
着眼点がすごいです!)
「聖と俗」 ― 人間の本質だと思います。
このコロナ禍において、「俗」不足がストレスになることを
世界中が痛感しているのでは?と思います。
まさしく、古市はその「俗」の現れですよね。
「俗」=性的な娯楽のみではありません。
エンターテインメント的なお楽しみ全般も「俗」だと思います。
古市は遊郭だけではなく、踊りや歌舞伎なども盛んで、
古市歌舞伎は江戸と上方の役者の登竜門とも言われたそうです。
そして、古市の隆盛の影には御師有り。
檀那衆を古市にアテンドするのも御師の仕事のひとつでした。
奥方様方は歌舞伎や踊りを楽しみ、
旦那様方はそのあと遊郭でもお楽しみを…という流れだったようです。
つまり、古市は御師や遊郭、興業主の仕掛けた一大テーマパークだったのです。
神宮の神聖性に触れた後は思い切り精進落ししてもらおう、楽しんでもらおう、
伊勢の旅が楽しかったと満足してもらって宣伝してもらおう…。
参宮客を夢の世界へ誘ったプランナーたちの思いはそういったものではないでしょうか?
古市は江戸時代のTDRだったのです。
今のおかげ横丁はそのスピリットを受け継いでいるといってもいいかもしれません。
数ある展示物の中で、個人的にオススメは
三大妓楼のひとつだった大店「杉本屋」で使われていた道具の数々です。
当時のおもてなしのあでやかさが目に浮かぶようで
見ていてわくわくさせられました。
(古物好きなので…)。
建物は失われてしまいましたが、
ここに杉本屋さんや備前屋さん、油屋さんの思いが受け継がれているように感じました。
他にも特別展などの催しもありますので
↓サイトをご覧ください。
バス停もありますので、
ここまで宇治山田駅からバスでダイレクトに来ることも出来ます。
そしてここから猿田彦神社へ歩くのも良いかもしれません。
(下り坂の道になります)
自転車でここまで来ますと、かなりへとへとです。
もうかなり来たつもりになりますが、まだ道半ばです!!!
自分を叱咤激励し、また自転車にまたがります。