【125社めぐり】 摂社 坂手国生神社
内宮 摂社 坂手国生神社 (さかてくなりじんじゃ)
御祭神 高水上神 (たかみなかみのかみ)
度会の主動線・サニーロード(国道530号)からすぐ、
平行して山へと入る道の半ば、
その名の通り坂にあります。
道沿いに入口はあるのでわかりやすいです。
印象的な石段をゆったりとまた上ります。
「この神社は潮尾崎(うしおざき)の池と道をはさむ、
小高い丘に坂のあたりにあり、社名の由来といわれる。 」
と、 神宮会館HPには紹介されています。
ただ、近世に再興される頃には社地が不明だったため、
複数の候補地が挙げられていたと言います。
上田辺の薬師堂の建つ丘が旧社地であるという説
写真↓は潮尾崎の池を神社手前の道路から見たところです。
こちら側(神社側ではない方)は竹藪になっています。
御祭神の高水上神はこの地方の灌漑用の水を守る神とされます。
潮尾崎の池など複数の池があり、灌漑に使われてきたことを示すと思います。
「田上神田」を献上したことから、坂手国生神社が祀られたという伝承です。
明治維新までは「田上神田」という内宮の御料田がこの周辺にあり、
毎年18俵の米を納めていたそうです。
神社のある山からは水田も見下ろせます。
(写真↓)
この辺りが「田上神田」だったのでしょうか?
(未検証です)
同じ玉城町内にある末社・小社神社(おごそじんじゃ)にも祀られています。
こちらも水の神とされていますが、この小社神社には雨乞いの風習があります。
高水上は、水瓶の神かもしれませんね。
山の上から灌漑の池にもたらされ貯められた水、
天に貯められて地上に降り注ぐ水、
貯めておいた水を農耕に使うイメージが沸きます。
潮尾崎の池は、
「町内最大の潅漑用水池。
内宮祢宜・荒木田氏がこの池の水を潮になぞられた事から名付けられた。
池の周辺には古墳がある。 」
と言います。
(http://www.mpearl.com/c03/ha_ta11.html)
もしかすると、この池から水が少なくなると
雨乞いが行われたのかもしれませんね。
境内は石段を上りきると目の前に社殿が待ち構えてくれます。
「高」水上の名の通り、
高みから山の下の池や水田を見守っていてくれているようです。
山の上だからなのか、
苔の美しい階段を上って来た感慨があるからなのか、
両脇の緑が自然な姿だからか、
特にすっきりとした印象です。
ここから下りの景色もまた清清しさがあります。
(写真↓)
地元では「さかだいさん」と親しまれているそうで
毎月1日と15日に参拝を行われたり、
「白石神事」が9月9日に行われたりと信仰の厚い神社で、
戦前は近隣商店で鉄製の小型鳥居を買 い求め
社頭に納める風習もあったと言います。
社殿の辺りの清清しさや、
掃き清められた長い石段からも
そうして大事に愛しまれている思いが伝わって来ますね。
こちらの石段を上がっていく趣は素晴らしいので
是非訪れていただきたい摂社さんです。
(2019.10.23.参拝)