待ったなし!?壊される予定の蔵の内部を拝見!
以前このブログでお話しました、
伊勢でお世話になっています方が
お店の蔵を壊す…という話を聞きまして…
ようやく現地にお話を聞きに行くことが出来ました。
こちらがその蔵。
本当に本当に勿体ない…!!!
ですが、前回も書きましたように
人あっての建物ですから、ご主人がそう判断したならば仕方ないです。
「動画とか写真とか資料として残したい」
と申し上げたところ
「そんなの何も残らない方がいい」との、祇園精舎の鐘の音が聞こえて来そうなまでの無常観…。
それでも、仲良くしていただいているよしみで中を見せてくださいました。
隣の建物(店舗)とつながる部分から入らせてもらうと、
床下の造りもよく見ることが出来ました。
↓湿地にちかいので、床下は土の上に砂利を敷くことが河崎には多いそうです。
↓目を今度は上に。
一階の天井です。
これだけ太い根太(で良いのかな?)を使うのは珍しいと、大工さんも仰るそうで
「地震のとき、ここにいたら安心だよ!」と言われたそうです。
確かに!天井の木材も柱もかなり太くて立派です。
木材の種類はわからないそうですが。
↓梁は一本でかなりの長さです!
「明治十一年寅十月」の文字がはっきりと。
↓更に特筆すべきは、この箱階段!
L字型…珍しいですよね?
状態も良く、引き出しもひっかかりなくスムーズに開閉します。
こちらは保存予定とのこと。
良かったです。
大工さんも「ここは問題なく外せる」と言っていたそうです。
↓こちらは、正面入口の内側です。
上手く撮れてないのですが…
扉を囲うまさに口の部分…
なんと春慶(漆)で塗られています!
しかも未だにつるつるです。
…これは大店っぷりが偲ばれる意匠ですね。
叶うことならば、この部分、何とか移設してほしいところです。
古民家の解体…盛者必衰の無常を感じる出来事ですが、
梁や柱は今、貴重な木材として需要があります。
皆様もお近くで古民家の解体があるときには、是非家主様にお伝えいただきたいです。
そして再三申し上げておりますが、襖もです。
下張りに貴重な情報源である反故紙が隠されていることがあるんです。
例え解体されても古民家には貴重且つ再利用できる素材が詰まっています。
実は土壁でさえも再生可能なんですよ。
そして出来ることならば、このデジタル時代まで生き延びてくれた古民家の記録を残せると良いですよね。
歴史的にも建築技法的にも大事な資料となりますから…。