伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

【お店紹介】和具屋さん

伊勢河崎の町の中でも老舗のお店のひとつです。
代々河崎の町を見守る「和具屋」さん。

 

その歴史の深さもあり、ご主人と奥様のお人柄もあり、

和具屋さんには逸話が多すぎまして…。

今回はさらっとご紹介を。

 

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和具屋さんは、七草神社さんと敷地を隣接し、
当「いと志や」からは信号を渡ってすぐのご近所さん。
地元の皆様から外国人観光客の皆様まで、
色々な方に愛される、陶器の卸と小売のお店です。

昭和レトロなんて当たり前。
明治や大正のお品も潜む品揃えは、まさに宝探し!
「これレトロでかわいい」

「こんなお茶碗がちょうど欲しかった」

という探し物も見つかれば、

「こ、これは何に使うのでしょう?」

という骨董品屋さんに並んでいそうなお品まで。

お手頃価格でお気に入りが見つけられます。

 

以前「CHAWAN(茶碗)」を捜す外国人観光客のお兄さんと和具屋さんで出会いまして
それが「ライスボウル」のほうなのか「カップ」のほうなのかと
和具屋の奥様と3人で色々話したことがあり(私は通訳しただけ)
日本の食器文化の深さに私まで感じ入ったこともあります。

 

そういったお手頃なものだけでなく、
店内には貴重な江戸時代のお品もあちこちに飾られていて

気になった物をご主人に質問すると深い含蓄で色々教えていただけます。

 

それもそのはず。

和具屋さんの歴史は古く、創業は150年前!
現御当主は14代目!!
蔵はは宝暦7年(1757年)創建。

その宝暦年間(1751~1764年)にこちらに定住された和具屋さん御一家ですので
河崎の歴史、伊勢の歴史にも勿論お詳しく、

「生きた歴史の話を伺ってるなぁ」

お話を伺うにつれ、しみじみと勉強になるのです。

 

特に蔵の見学をさせてもらいますと、和具屋さんの歴史の深さに溜息が出ます。
(*蔵の見学は御主人がいるときにしてもらえますよ。予約不用。)

 

私が以前三重テレビさんに出させていただいた時に

「是非に」とお願いして、和具屋さんにも出ていただきました。

↓6:28頃から和具屋さんのご紹介になっています。

 


ただ残念なことに収録当時の店舗側の建物はありません。
現在は蔵の方で商いをされています。

ちょうどこの収録をした1ヶ月後に取り壊しされまして。
ある意味こうして映像として残しておけたのは良かったのかも?と手前味噌ながら思っています。

古民家の保存は本当に大変です。
修繕の費用や可否(職人さんが少ない)もありますが、
その他のバックグラウンドからも手放されるケースが多々あります。

それを「是非遺して欲しい」と切望しても、やむにやまれぬ事情はあるもの…。

今、河崎でも古民家が1つまた1つと取り壊されて行きます。
私が知る限りでもこの2年程で大きなところでも6軒程はなくなっていますから、
知らずにいたお家もあるでしょうから、それ以上の古民家が姿を消しているということになります。

ただ保存することは負担にもなりかねません。
でも、遺して欲しい思いから外野が無理強いをしてハード面から固めていっても
ソフト面、つまり人がついていくのか、という疑問もあります。

 

私は「町=人」だと思っています。
住まう人が心地よく、そして古民家も残るような町つくりを切望します。