【神宮の神事】 神嘗祭
その年の初穂を神宮に納める初穂曳についてこの数日お話しました。
この初穂が神宮に奉納されると行なわれるのが、神嘗祭です。
神宮の祭事で最も大切な神事になります。
そのタイムスケジュールは以下になります。
(今年バージョンですが伝統的に日時は変りません)
■外宮(豊受大神宮)
由貴夕大御饌 10月15日(木) 午後10時
由貴朝大御饌 10月16日(金) 午前2時
奉 幣 10月16日(金) 正午
御神楽 10月16日(金) 午後6時
■内宮(皇大神宮)
由貴夕大御饌 10月16日(金) 午後10時
由貴朝大御饌 10月17日(土) 午前2時
奉 幣 10月17日(土) 正午
御神楽 10月17日(土) 午後6時
神嘗祭に付随する神事は、初穂が奉納された日の夜から始まります。
もちろん参拝時間外ですので、一般の人は見ることは叶いません。
昼間、参拝時間内に行なわれます奉幣や御神楽は参道から垣間見ることができます。
そもそも神嘗祭ってどんな神事なのでしょう?
神宮にHPには以下のようにあります。
「年間1500回に及ぶ神宮の恒例のお祭りの中でも、最も重要なお祭りが神嘗祭です。
神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、
御恵みに感謝するお祭りで、由貴大御饌と奉幣を中心として、
さらに附属のお祭りとして、春に
秋の
神宮の年間の祭典は神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。」
具体的に何が行なわれるのかといいますと、以下のようにあります。
神宮の最も由緒深い祭典です。
浄闇の中、午後10時と午前2時の二度にわたって由貴大御饌の儀が行われ、
神宮神田で清浄に栽培された新穀の御飯・御餅・神酒を始め、海の幸、山の幸をお供えし、
明くる正午には、勅使をお迎えして奉幣の儀を奉仕します。
お祭りでは秋の実りに感謝申し上げ、
皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。
神嘗祭は、両正宮に引き続き25日まで、
別宮を始め、摂社・末社・所管社に至るすべてのお社において行われます。
各地の農家から寄せられた稲束(
ちょっと具体的にはわかりにくいですね。
平たく言いますと、元来神嘗祭とは祭祀者である天皇が天照大神にその年の新しいの実りを奉納し、
その年の収穫に感謝を捧げる祭事です。
721年(養老5)9月11日に元正天皇が伊勢神宮に使を遣わして幣帛を奉って以来、
毎年、幣帛使が遣わされるようになったといわれます。
現在の奉幣がそれにあたりますね。
陰暦では9月17日、明治12年(1879)以降は10月17日に行われるようになり、
国祭日とされていました。
では、由貴夕大御饌・由貴朝大御饌とはどんな神事かといいますと、
アワビや伊勢エビなど約30品目も並ぶ夕食と朝食を神様に捧げることです。
「カムナメ」は「カムニヘ」の転訛であるとも言われています。
「由貴」とは、この上なく貴いという意味があります。
↓がそのお食事メニューです。
(鳥羽・海の博物館展示より)
さて、この神嘗祭には天皇陛下ご本人は伊勢に来られることはありませんが、
15日から17日までの3日間、内宮と外宮でそれぞれ、
由貴夕大御饌祭、由貴朝大御饌祭、奉幣に御奉仕をされます。
きっと伊勢の斎宮もこのように奉仕なさったのでは?
と妄想を広げてしまいます。
また、天皇が勅使を遣わせて参拝は直接なさらないのは、
持統天皇とは父方では異母姉妹、母方では従姉妹にあたります。
神嘗祭の勅使は例幣使といい、
五位以上の諸王の中から選ばれ中臣・忌部らの官人がそえられたそうです。
かなり位の高い方が奉幣を行なっていたのですね。
このことからも、神嘗祭は朝廷でも重要な祭事のひとつであったことがよくわかります。
欧米の収穫祭であるハロウィンがすっかり定着した日本ですが、
古来からの日本の収穫祭であるこの神嘗祭にも思いを馳せていきたいものですね。
(まずは国祭日に戻してほしいなぁ…)
☆追記☆
今日の初穂曳に参加した友人から聞きましたが、
今年は自粛のため川曳は行なわずに、
初穂の奉納だけを行なったそうです。
来年は川曳も行なわれますように。。。祈願!