伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

古民家鑑定士の資格を取ってみた件!

自他ともに認める伊勢好きの私ですが、

そもそもが古民家好きです。

 

その古民家好きが高じて、音声SNSのCLUBHOUSEで今年の2月から

「古民家好きによる古民家好きのための古民家情報交換会」というルームを

毎週土曜日に開催していまして、

そのルーム(コミュニティ)を通して全国の古民家好きのお仲間が沢山出来ました♪(感謝)

ある日のこと、古民家好き仲間の建築士のKさんとYさんが

「えいさん!古民家鑑定士の資格一緒に取らない!?」と

けっこくなハイテンションでお誘いをしてくれました。

その検定名は知っていたのですが、建築士の方しか取れないと思っていたのですが、

二十歳以上の古民家に興味がある人なら誰でも受験可とのこと。

でも、私の古民家好きは素人目線のもので、きちんと勉強をしたこともないし、無理でしょう!??
と伝えたものの、話題が更に盛り上がりその時にいたメンバーが数人

「自分も受けたい!」と名乗りを上げ…

まるでテレビの資格取得番組のようにノリと勢いで「皆で試験を受けよう!」ということになりました。

(本当に調子に乗りやすい自分です。笑)

 

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↑こちらがその専門の教科書です。送料込み9000円(!)

 

オンラインで見てみたら売り切れていたのですが、

その場で建築士のMさんが「手元に6冊あるよ」と、送ってくれることになったのです。

しかも受験希望をしたのもちょうど6人。

神がかってる展開。

 

ここまでがほんの数十分かそこらの流れです。

もう、そうなるようにできていたように思えますよね。

しかも喋りながらもう皆、講習と試験の申込もしてしまいました!
(オンライン時代、こわい!!)

 

落ちいて「古民家鑑定士」という資格と試験について調べてみました。

 

この資格は「一般財団法人職業技能振興会」が出していて、

受験資格は前述もした通り

「20歳以上。

 古民家や古材・古瓦など伝統的な建築や資材に興味のある方ならどなたでも受験していただけます。」

とのことです。

 

試験はテキスト持ち込み可

選択式(マークシート)60問(制限時間50分)
合格率は80%くらいのようです。

 

試験内容は「総論」「伝統」「在来」各20問でそれぞれ14問以上正解で合格。
ただし、総論が合格に達していないといけません。
「伝統」「在来」共に合格ならば1級、

どちらかが合格ならば2級、というシステムです。

 

コロナ禍なので、オンライン講習&試験が受けられるとのことで

沖縄のRさん福岡のYさんと「同じ日に受けよう!」ということになりました。
ちょっと楽しくなってきました(笑)。

一般財団法人職業技能振興会

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受験費用は…受験料(9,000円)+講習費(14,000円)→ 合計 23,000円

+テキスト代9,000円…となるわけで合計32,000円。

 

個人的には「高っ」と思わなくもないですが、専門資格なので、そんなものでしょう💦

ところで、古民家鑑定士になると何が出来るかといえば…

その名の通り古民家の鑑定が出来ます。

 

ですが、もちろん一人でいきなり鑑定出来るようにはならないので、

各地域で講習(1回5,000円らしい)が受けられます。

 

また、協会員になると古民家を通じた活動が更に出来るような仕組みのようです。
(入会金100,000円+年会費60,000円)

建築や不動産、地域の町づくりに携わる人ならば入ると良さそうな雰囲気です。
(自分は当面は入らないかな?と)

 

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さて。

早速テキストと共に古民家の勉強を始めました。

6月7日から勉強スタート。

テストは7月14日です。

 

一応、元塾講師なので、勉強計画を立ててみました。

まず2週間かけて、わからないところは調べながらじっくしと読み込む(1回目通読)。
次の10日で記憶&更に不明点を確認する(2回目通読)
最後の1週間で知識を定着させる(3回目通読)


ところが。
建築初心者の私、次々に出て来る建築用語に「?」の連発。

 

こちらのサイトにお世話になりました。

(図書館に行かなくて済むこの時代に感謝!)

建築用語集−現場で使える建築用語

京町家改修用語集

 

更にこちらのテキスト、建築士さん目線のためか図がある一定方向からしか書かれていないため、

頭の中でその図を3D化してみても、それがそもそも正しいのかがわからず…。

「建築模型が欲しい~」という有り様。

本当に模型が付いてる建築の本を買おうかとも思ったのですが、

↑の本を購入しました。

斜めからの図や、木の組まれ方が細かく書かれていて、まさに知りたかったポイントを理解することが出来ました。

 

あとは、今まで見てきた古民家を脳内再生しながらテキストを読み込みました。

それでも記憶が曖昧過ぎることが多く「江戸たてもの園」に行き、古民家実見して来ました。

 

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そして、いよいよ試験当日。

ZOOMでの講習の後に試験です。

講師の先生は愛媛の方でした。

沖縄の友人と愛媛の講習を聞く…めっちゃ今のご時世っぽいです。(ちょっとわくわく)

講習の内容はというと、さすがにあの厚いテキストの内容全てを網羅することは難しいので

テストで出るポイントを示唆してくれるような感じでした。

(ぶっちゃけ、ちゃんと勉強してたら受けなくても大丈夫そう。

 友人の友人の建築家の大御所の先生はぶっつけ受験したそうです。)

 

オンライン講習から現地講習に切り替えたYさんに聞いたところ、

現地講習では協会の成り立ちや活動についてなどのお話も聞けたそうです。

 

(オンラインでも資格取得後の鑑定士の活動についてのお話はありましたが。)

 

テストは、オンラインなのでアンケートフォームのよう!
昭和世代としては、集中しづらかった感が…(笑)。

 

現地受験のYさんはマークシートで「しっかり丁寧に塗ってね!」と講師の先生から再三声掛けをされたらしく、時間が足りなくなったとのこと。

 

試験は1問に1分もかけられないので、テキスト持ち込みとはいえ

どこに書いてあったかな?と探してしまうと時間がなくなってしまいます。 

そう思って、けっこう慌ててハイペースでこなしたので時間は余ったものの、

見直してたらミスが多くて…(笑)。

 

テストは(これ書いてもいいのかな?ネタバレですが)、ひっかけ系です。

自動車免許の問題に似ていますね。

個人的にはめっちゃ苦手な形式なので、いっそ記述の方が有難いくらいです。

ですので、終わったあとの手応えは「微妙。落ちてても受かってても驚かない」という気分でした。

 

結果は…

 

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見事に1級で合格しました~!

 

合格発表はオンラインでしたが、後日合否の案内も来ました。
紙面では点数も教えてくれまして

「総論18点 伝統17点 在来19点」。

 

8月10日に合格発表、

8月30日に資格のカード(認定証)が来ました。

 

古民家鑑定士は地区ごとの活動が多くて、

私は三重に戻れたら何か参加したいな~という感じでいますが、

これで対外的に古民家愛を少しは証明出来るかな?と黒い下心を抱いています。


古民家鑑定士にご興味のある方は、こちらまで…

古民家鑑定士試験情報 – 一般財団法人職業技能振興会