伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

【伊勢の神事】初穂曳~内宮・川曳~

伊勢神宮の大事な神事で、

毎年10月15日と16日に行われます

その年の初穂を神宮に奉納する儀式、

初穂曳についてご紹介したいと思います。

 

昨日に続きまして、今日は内宮の初穂曳です。

 

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内宮の初穂は五十鈴川の中を船で曳かれていきます。

そのことから「川曳」とも呼ばれます。

 

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スタート地点はおかげ横丁界隈よりも川上です。

浦田橋のそば。

野遊び茶屋の近くの駐車場対岸です。

 

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ここに内宮の神領民の皆さんが集合。

最初に出発式のようなものを執り行い、

クレーン車で船を河原に下ろします。

(昔は人の力で下ろしてたと、50~60代の方はおっしゃってましたので

 クレーン車になったのは比較的最近なのかもしれません)

 

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船についた二本の縄を曳き、川へと入ります。

毎年ここで悲鳴が上がります(笑)。

無駄に川の中に「つめたい!?」って聞いてしまいますが、

そりゃ冷たいですよね(笑)。

 

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去年は日も時折顔を出しましたが、台風明けで

五十鈴川も河原まで増水してました)

特に水温は低かったようです。

 

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木遣り歌と共に時折両サイドの縄を寄り合わせる動作などは外宮の陸曳と同じですが、

なんせ水の中ですから、ここで水しぶきが盛大に上がります!

時折水かけっこにも発展したり、

木遣りさんが景気付け(?)に水をかけてきたりします(笑)。

お祭りらしい威勢の良さがあって、

見てる分には楽しいです、見てる分には。

 

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この川曳は、陸曳と異なり、1つの船で初穂を納めます。

の全ての神領の町町が参加しますが、

その中で船係のような担当が1つの町に順番にまわってきます。

去年は二見がその担当でした。

船にはその町の幡が立てられます。

 

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陸曳の車とは装いも違いますね。

陸曳に見られる「太一」の文字がありません。

(どこかに書かれてるのかな?)

 

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水の中を行く姿は、大漁祈願の神事のようにも見えます。

 

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そしてここがポイント!

船が橋を渡る時はその真上にはいられません。

たもと側はOKです。

 

これは、神様のお食事の上に人間がいることを不敬とする故だと聞きました。

ですので、橋は一時通行止めになります。

 

この神事を知らずに参拝にいらした方は「なにごと!??」と騒然とします。

赤福本店横の橋でざわつくことが多いです)

 

観光客にアピールすることのほぼない地元の神事ですので、

そりゃそうですよね~。

聞かれたら私もその場で説明するのですが。

 

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船は3箇所の橋をくぐり、内宮を目指します。

 

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橋からの俯瞰の眺めもいい感じですので

橋はオススメスポットでもあります。

 

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去年はまだ川の水嵩が高かったので、時折浅瀬を選んでいました。

初穂曳は神事ですので、事故や怪我があるとその初穂を納めることができなくなるそうです。

(穢れの禁忌ですね)

それでもたまに溺れかけたりすることもあるそうなので、要注意です!

(知人で溺れかけたという話を聞いたことが、、、ごにょごにょ、、、いや溺れてはないからセーフですよ!)

 

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そして道中2度ほど休憩します。

焚き火も炊かれ、暖をとります。

 

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二回目の休憩はもう内宮の見えてくるあたり。

ここは禊も行なわれたりする場所で

特に緑が濃く美しいです。

 

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いよいよ境内に初穂が入ってきます!

宇治橋でスタンバイです。

 

宇治橋は人はくぐりますが船はくぐらないので真上でも大丈夫!

かなりのフォトスポットです!

 

ただ、2度目の休憩は長いので、けっこう待ちます。

たまたまお隣にいらしたおじいちゃまにお話し相手になってもらって

色々教えていただきつつ待ちます。

この日は川風が冷たく、冷えました。

 

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宇治橋の手前の幡の立つ位置から船は陸に上がります。

よく宇治橋を写真撮影する記念撮影スポットの辺りです。

 

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いよいよ初穂がやってきました!

 

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五十鈴川に各町の幡が翻り、美しい光景です。

 

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両側から縄を寄り合うのもこれがラスト!

気合がはいってますね。

 

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曳き手は縄が絡まないように宇治橋をくぐって大きく迂回しながら境内に上がります。

 

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船の行く道を縄が作り上げるイメージです。

 

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最後に木遣り歌が唄われます。

並んだ木遣りさんたちの姿が壮観です。

 

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そしてここから一気に船が引き上げられます!

けっこうな勢いです!

ここは一番危険だそうです(巻き込まれ注意です!)。

 

こうして初穂は内宮に奉納されます。

長くなりましたので、その様子はまた明日といたしましょう!