伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

【伊勢の寺社】 上田神社 (伊勢市中村町)

 昨日、「河崎の今年の天王祭は中止」というお話をしました。

 

天王さん=牛頭大王=スサノオ

であります。

 

「てんのうさん」というと「天皇陛下」と言葉が被るので

お祭り名に異論があったという話も聞きますが、

天王さんを祀った神社は伊勢に多いのです。

 

そのひとつがここ、上田神社です。

 

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月読宮のすぐ近くに鎮座する、中村町の産土神です。

 

白い鳥居が美しく、印象的な境内です。

 

御祭神は

スサノオ

山の神・大山津見命

勉学の神・菅原道真(天神様)

となっています。

 

元々は「八王子社」と呼ばれていたそうですので

大山津見神天神様は、後世に合祀されたようですね。

(天神様の社がある神社さんは全国的に多いですよね。)

 

こちらのお祭りは「天王祭」ではなく「天神祭」となっているのは

河崎とかぶっちゃうからでしょうか?

 

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個人的には、

ツクヨミスサノオの兄弟神が近くに鎮座しているのも興味深いな、

と思ってしまいました。

 

スサノオツクヨミは、同じような逸話を持ちます。

 

ツクヨミをもてなそうとした保食神

口から米飯と魚と獣を吐き出したのを見て

ツクヨミは「吐き出したものを食べさせるとは汚らわしい」と怒り、

保食神を斬ってしまった。

 

という話がありますが(日本書紀)、

ほぼ同様の話がスサノオオオゲツヒメの話としても伝わっています(古事記)。

 

どちらも食物(穀物)起源神話とされています。

 

ツクヨミの話では、怒ったアマテラス大神

「もうツクヨミとは会いたくない」と言い、

太陽と月は昼と夜とに別れて出るようになったという昼夜のはじまりの話とされ、

スサノオの方では、こういった諸々の暴虐無人がきっかけでアマテラス大神は岩戸に篭ります。

 

ほぼ活躍のないツクヨミの少ない逸話がなぜスサノオと被っているのか?

私は、スサノオ命の話は各地のスサノオ的な荒ぶる神の話の集合体であって

スサノオ自体もその神々の総称というか、習合した神ではないかと思っています。

つまりスサノオツクヨミでもあるのではないか?と。

 

また、食物神であるオオゲツヒメ保食神は、

稲荷神(宇迦之御魂)やトヨウケヒメと習合し、同一視されるようになっていきます。

 

こうして考えますと、伊勢の神々のリンク感がありますよね。

 

オオゲツヒメ大気都比売大宜都比売と記されすが

月姫とも当てられます。

ツクヨミの影が…。

 

と、今日もうっかり妄想炸裂でしたが

それはさておき、

月読宮御参拝の折にお立ち寄りしてみてはいかがでしょうか?

 

【伊勢神宮の歩き方】 内宮周辺から宇治山田方面へ 【125社めぐり】 - 伊勢河崎ときどき古民家

 ↑ こちらのコースで

宇治山田神社と霞原神社の間に参拝出来ます。

 

 


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