伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

【125社めぐり】正宮・皇大神宮

正宮  皇大神宮

御祭神 天照坐皇大御神

相殿神 天手力男神 万幡豊秋津姫命


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125社のトップです。

一般に「伊勢神宮 内宮」と呼ばれるその正殿です。

 

正式には「伊勢神宮」という神社はありません。

伊勢神宮」は俗称で、専ら外宮・内宮の境内をまとめて呼んでいます。

伊勢では「神宮」とも呼びます。

 

内宮の正しいお名前は「皇大神宮」です。

その御正殿のここが「正宮」の「皇大神宮」なのです。

 

 

 

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皇大神宮は、ほぼこのようになっています。

 

通常のお参りは南の石段を上がり、板垣内・外玉垣外の間になります。

御神楽を上げたり初穂料を納めると中垂鳥居まで入ることが出来ます。

(更に沢山の初穂料をお納めすると、更に内玉垣内まで入ることができます。)

 

また板垣内には所管社の「興玉神」と「宮比神」が北西に同座されています。
(詳しくは所管社でまたご紹介します)

 

式年遷宮を行うため、現在は向かって右手に「古殿地」と呼ばれる

御祭神が前の20年をお過ごしになり、

また次の20年をお過ごしになる宮を建てる場所があります。

その御正殿となる場所には「心御柱」が埋められていて、

その上に「心御柱覆屋」が建てられています。

 

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御祭神はご存知、天照大神

その御神体八咫鏡です。

天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、皇大御神(すめおおみかみ)ともお呼びします。

神職天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)とお呼びしていますので、
こちらが正式なお名前と言って良いかと思います。

 

その名の通り「日」を司る太陽神です。

大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)という別名もお持ちです。

「ムチ」というお名前のつく神様はとても少なく、それだけ尊い神様であるとわかります。

 

天皇家の皇祖神とされ、

イザナギ命とイザナミ命がその父母神です。

古事記ではイザナギ命の左目から生まれたとされています。)

 

更に御正殿には「相殿神」として、

右手に天手力男神、左手に万幡豊秋津姫命がお祀りされています。

天手力男神御神体は弓、万幡豊秋津姫命は剣とされおり、どちらも神事で扱う武具でもあります。

 

手力男命は、天照大神が天の岩屋に篭られた際に活躍した神で、

その名の通りの力持ちとされていますから、

大神のボディーガードでは?と思われます。

 

万幡豊秋津姫命はまたの名を栲幡千千姫命と言います。

高皇産霊神の娘、または思兼命の妹との説も。

天照大神の子・天忍穂耳命と結婚し、天火明命瓊瓊杵尊をお産みになったとされています。

つまり、天照大神の嫁、です。

 

その名から「秋津(とんぼ)の羽のように美しい布を織る特別な機織女」とも考えられていますが、
秋津島」は日本の国土を指すこと、日本に降臨した瓊瓊杵尊の母であることから
国母のような存在と考えられたのではないでしょうか?

 

天を統べる天照大神と日本の国母、というわけです。

 

また思兼命の妹であるならば、天の岩戸につながります。

(思兼命も天の岩戸で活躍します)

そうなりますと、手力男と合わせて考えることもできますね。

ただ、私はその名の「豊」という文字からどうしても

外宮正殿御祭神の「豊受姫命」を連想してしまうのです。

手力男がボディーガードで、

万幡豊秋津姫は豊受姫と同様にお世話係ではないでしょうか?

機織女でもあると考えますとスサノオの悪行で死んでしまった機織女も連想されますね。
それがきっかけで天照大神は岩戸にお隠れになるので、お話がループします。

機織女がつくる布もまた祭事でつかう特別なものであったと思われます。

 

また、そもそも天照大神とは?女神なのか?男神なのか?など
謎が満載なのですが、そちらはまた別の機会に…。