伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

古民家に住むコトは英国人に倣え!

私は、伊勢河崎のお店と東京と神奈川の境目の自宅を
ほぼ半々で行ったり来たりして生活していました。

よく町のお仲間にも「え?こっちいる時二階にいるの?大丈夫?」と心配されましたが
古民家に住むのは、多分想像以上に諸々大変で、それが楽しいです。

 

f:id:itoshiya8ise:20180818075918j:plain

 

「不自由は楽しい!」

私はこの精神をイギリスで培いました。
学生時代にオックスフォードで、そして仕事を始めてからはロンドンで。

 

シャワーの水は出なくて当たり前だし(学校の寮もホテルも)

エレベーターなんてあるわけもないし(プチホテルも寮も小さな駅でも)

セントラルヒーティングだから個々の寒暖合せられないし
工事にはやたらとかかる期間が長いし
すぐにストや点検で地下鉄止まってバスがカオスになるし
いきなりバスが終点まで行かなくなるし。。。

(切りがないのでやめましょう)

 

ロンドンのタウンハウス型の某ホテルである朝シャワーをしようとしたら、

なんと!シャワーヘッドがないことがありました。
昨日まであったのに!??落ちたか?と周囲を捜したけどなくて。
フロントに言いに言ったら
「君が戻るまでにはつけておくから、問題ないさぁ~」とスマイル。

いや、今問題あるけど、、、ま、いっか。

そんな英国が逆に好きです(笑)。
(これがダメな人はイギリス住めなくて帰国しちゃう)

 

そういうある種のMっ気が多分日本の古民家に住むにも必要かと思います。

 

そして何より、古いものに敬意をはらい、愛しみ、

大事に有効活用する心構えが大事だと私は思っています。

 

f:id:itoshiya8ise:20180902155631j:plain

 

見てください。この階段の手すりから連なるカーブ。
そしてこの木枠のレトロな窓。
愛おしくないですか?

今の家にはない、懐かしいこのぼろぼろこぼれる砂壁すら趣きです。

 

この家を作った職人さん、そして代々住んでいたN家の皆様の思いが詰まっていると思うと
疎かになんて出来ませんよね。

 

f:id:itoshiya8ise:20180902155815j:plain

 

これは、私がお店を借り受けた頃の二階です。
奥はもっとひどかったですが、
当時シェアしてた方のプライバシー的に掲載出来ず…。

河崎の古民家の場合は、現況引渡が多いです。


良い点→家具付き。年代物の市場には出回らないような素敵な家具をお借りできる。
悪い点→家の中の片付け掃除、不用品の廃棄は入居者がやらねばならない。要所要所修理も必要。

これを楽しめるかどうかにかかってくるかな、と思います。

 

片付けとか「苦行」と思えることも、「お宝の発掘チャンス!」とポジティブ転換してました。
本当にびっくりするものが出てきて、私は楽しかったのですが←古物好き。

 

そして、ポイントは一気に「完璧」を目指さないことだと思います。
資金が潤沢で業者さんに頼めるのならいいですけど、
個人の場合は、住みながらちょっとずつ…が良いと思います。

 

実はこれもイギリス流です。

英国には古い石造りの家屋が沢山現存していて、

歴史的に価値のある建物にも普通に人が生活しています。

そして古い建物は大概住みながら自分で直していきます。
住んでるうちに壊れたり不具合も出るので、合理的な判断でもあるのですが、
それをライフワークのように楽しむ人が多いんです。
最初は寝袋から出発って人の話を聞いたことも!

日本の古民家にもこの精神は大事では?と思います。

河崎で一番仲良しの方の口癖が「ゆるく楽しく」なのですが、本当にそう。
そして、河崎にはそれが良く似合う。

 

f:id:itoshiya8ise:20180811184100j:plain


一日頑張ったあとの御褒美はやっぱりこれ!
勢田川に、河崎に、かんぱぁい♪