伊勢河崎ときどき古民家

伊勢と河崎の町と神社と古民家と好きなものに囲まれた日々のコラムです

【神宮の神事・番外編】大嘗祭・新嘗祭とは?

昨日は伊勢神宮の神事である神嘗祭についてざっくりとですがお話ししました。

「かんなめのまつり」とは、「かむにえ」、神様が贄を食すお祭りでしたね。

 

では、よく似た神事である新嘗祭大嘗祭とは何でしょう?

 

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大嘗祭は昨年行われましたので、皆様ご記憶に新しいかと思います。

宮中に大嘗宮が建てられ、その見学も後日行われましたね。

 

ちょうどその頃に、私は伊勢から東京に戻りましたので、

もちろん見学に行きました。

今日はその写真を添えていきたいと思います。

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大嘗祭天皇陛下即位式のような位置づけにもとられていますが、

天皇が即位して最初の新嘗祭のことを言い、

古くは同一祭事の同義語とされていたと伝わります。

 

大嘗祭に関する宮内庁の資料にも、

 

 「7世紀中頃までは,一代に一度行われる大嘗祭

 毎年行われる新嘗祭との区 別はなかったが,

 第40代天武天皇の時(御在位673~686年)に,

 初め て,大嘗祭新嘗祭とが区別された。

 爾来,大嘗祭は一世に一度行われる極め て重要な皇位継承儀式とされ,

 歴代天皇は,即位後必ずそれを行われることが 皇室の伝統となった。」

 

とあります。

 

ここにも天武天皇

天武天皇は伊勢だけではなく、宮中祭事も整えたのですね。

 

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大嘗祭新嘗祭の大きな違いは、やはり大嘗宮が建てられることです。

新嘗祭は毎年行われる宮中祭事なので、逐一宮を建てることはなく、

宮中三殿の近くにある神嘉殿で行われます。

 

大嘗宮は、宮中の約90メートル四方、

約2,700平方メートルの敷地に建てられます。


悠紀殿(悠紀殿供饌の儀を行うための建物)

主基殿(主基殿供饌の儀を行うための建物)

廻 立 殿(大嘗宮の儀に先立ち天皇及び皇后が御潔斎や召替えをなさる建物)

 

を中心に,関連する建物や参列者幄舎など大小30余の建物が設営されます。

 

これらの建物は,床は筵又は畳表を敷き,

扉及び壁は畳表を張り,

柱は加工をしない皮つきの丸太を用いるなど,

伝統的に質素なものとされているそうです。

宮内庁資料より)

 

秋篠宮さまが費用面などご心配されていましたが、

伊勢の式年遷宮同様に、伝統を伝える意味でも

この宮を建てることには大きな意義があると私は思います。

 

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大嘗祭の細かな式次第についてなどは、

昨年あちこちでインフォメーションされてましたので

ここでは割愛させていただきますね。

宮の詳細や式次第などは、こちらの宮内庁資料がおすすめです。

https://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/shiryo/tairei/pdf/shiryo011002-7.pdf

 

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では、新嘗祭とは何なのか?

それを見ていきたいと思います。

 

「新しい贄の祭り」

つまり、その年の豊穣を祝うお祭りです。

 

大嘗祭とは、

 「稲作農業を中心とした我が国の社会に古くから伝承されてきた

 収穫儀礼に根ざしたものであり,

 天皇が即位の後,初めて,大嘗宮において,

 新穀を皇祖(天照大神)及び天神地祇(すべての神々)にお供えになって,

 みずからもお召し上がりになり,

 皇祖及び天神地祇に対し,

 安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに,

 国家・国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念される儀式である。
 それは,皇位の継承があったときは,

 必ず挙行すべきものとされ,皇室の長い伝統を受け継いだ,

 皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式である。」

と先述の宮内庁資料にありますが、

 

新嘗祭

 「稲作農業を中心とした我が国の社会に古くから伝承されてきた

  収穫儀礼に根ざしたものであり,

  新穀を皇祖(天照大神)及び天神地祇(すべての神々)にお供えになって,

  みずからもお召し上がりになり,

  皇祖及び天神地祇に対し,

  安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに,

  国家・国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念される儀式である。」

というものです。

 

つまり、

 「天皇が即位の後,初めて,大嘗宮において」

ということ以外は大嘗祭新嘗祭も同じなのです。

 (と私は理解しています)

 

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つまりは、新嘗祭神嘗祭同様に収穫祭なのです。

日本の神道の長である天皇陛下が一年の収穫に感謝を捧げる儀式ですので、

日本全国の神社でも同日に新嘗祭を行うところが多いです。

もちろん伊勢神宮でも新嘗祭の大御が行われます。

 

「でも、自分は神道じゃないし、関係なくない?」

と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、大いに関係あるんですよ。

実は皆さんもこの日は収穫祭に参加しているんです、ある意味。

それはこの日が「勤労感謝の日」なんですよ。

 

勤労感謝の日

「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」

祝日法に現在もあります。

もう、収穫祭そのものですよね。

 

そう、日本のハロウィンは11月23日なのです!

(*ハロウィンの起源は収穫祭+お盆のようなもの)

 

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ただ、新嘗祭には他の意義もあるという指摘が古くからあります。

それは、神道の長である天皇が神前で新穀を食すことにより

天照大神の霊威を身に受けて、それを更新する神事である、という説です。

 

私たちの測り知らないところで、天皇陛下は日々祈りを捧げ、

数々の神事を行われています。

これはかなり心身共にお疲れになられることと存じます。

そこで、そのための力を年に一回神様と同食&同寝することでチャージする日だというのがこの説です。

 

これもピンと来ない方が多いかもしれませんが、実は私たちもやっています。

それは、お正月です。

 

新しい歳の神様を迎えるために年末に大掃除(大祓)をして、

門松やお飾りというウェルカムボードを立て、

お節料理でおもてなしをしますよね。

この時のお箸は両方が研いである祝箸を使います。

このお箸こそが「片方は神様、片方は自分」がつかい、神様と同食することで

その歳のパワーをいただいているという古来の習慣なのです。

 

話が逸れましたが、

実は新嘗祭神道の思想は日本の隅々に生きていると

お伝えしたかった次第であります。

 

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でも、なぜ神嘗祭新嘗祭があるの?

といいますと、「神様バージョン」「宮中バージョン」の違い、

つまり「神様(天)の祭事」と「宮(地、国)の祭事」であるというような説明が多いです。

 

確たる立証はないのですが、私の知っている見聞から紐解きますと

 

まず、神様に収穫を感謝し、その年の初穂を最初に食べていただき(神嘗祭)、

そのあと国の民は新米を口にする。

全ての国民が新米を食べたのを確認してから天皇も収穫を感謝して神と同食し、

更に次の1年のために神様からパワーを頂戴する(新嘗祭)。

 

といった感じです。

 

そして、即位後初めての新嘗祭は、神様に自己紹介や今後の良好な関係性をお願いするために大きく行う(大嘗祭)、

のではないでしょうか?

(もしくは、神の力を宿すために行うともいえますね)

 

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↑さて、こちらはおまけ映像です♪

なんと!黄櫨染御袍を着たダッフィーです!!!

 

黄櫨染御袍は天皇陛下のみが着用できる禁色の袍衣で、

特に大事な行事でのみお召しになられます。

 

あまりのクォリティーに写真をお願いして撮らせていただいちゃいました♪

 

ちなみに、ダッフィー船長さんという方です♪

2019年12月5日のブログ記事一覧-ダッフィー船長航海記 / Captain Duffy

 

いやぁ、すごい方がいらっしゃる!!!
出会えてラッキーでした♪

【神宮の神事】 神嘗祭

その年の初穂を神宮に納める初穂曳についてこの数日お話しました。

この初穂が神宮に奉納されると行なわれるのが、神嘗祭です。

 

神宮の祭事で最も大切な神事になります。

 

そのタイムスケジュールは以下になります。

(今年バージョンですが伝統的に日時は変りません)

 

■外宮(豊受大神宮
  由貴夕大御饌  10月15日(木) 午後10時
  由貴朝大御饌  10月16日(金) 午前2時
  奉  幣      10月16日(金) 正午         
    御神楽       10月16日(金) 午後6時

 

■内宮(皇大神宮
  由貴夕大御饌  10月16日(金) 午後10時     
     由貴朝大御饌  10月17日(土) 午前2時
  奉  幣      10月17日(土) 正午          
   御神楽       10月17日(土) 午後6時

 

神嘗祭に付随する神事は、初穂が奉納された日の夜から始まります。

もちろん参拝時間外ですので、一般の人は見ることは叶いません。

 

昼間、参拝時間内に行なわれます奉幣や御神楽は参道から垣間見ることができます。

 

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そもそも神嘗祭ってどんな神事なのでしょう?

 

神宮にHPには以下のようにあります。

 

「年間1500回に及ぶ神宮の恒例のお祭りの中でも、最も重要なお祭りが神嘗祭です。
 神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、

御恵みに感謝するお祭りで、由貴大御饌と奉幣を中心として、

興玉神おきたまのかみさい御卜みうら御神楽みかぐらなどの諸祭を行います。
さらに附属のお祭りとして、春に神宮御園じんぐうみそので行われる御園祭みそのさい

神宮神田じんぐうしんでんで行われる神田下種祭しんでんげしゅさい

秋の抜穂祭ぬいぼさい酒殿みさかどのさい御塩殿祭みしおどのさい大祓おおはらいがあり、

神宮の年間の祭典は神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。」

神嘗祭|年間行事|神宮の祭典と催し|伊勢神宮

 

具体的に何が行なわれるのかといいますと、以下のようにあります。

 

神嘗祭は、6月・12月の月次祭と共に「三節祭さんせつさい」と呼ばれ、

神宮の最も由緒深い祭典です。

浄闇の中、午後10時と午前2時の二度にわたって由貴大御饌の儀が行われ、

神宮神田で清浄に栽培された新穀の御飯・御餅・神酒を始め、海の幸、山の幸をお供えし、

明くる正午には、勅使をお迎えして奉幣の儀を奉仕します。

お祭りでは秋の実りに感謝申し上げ、

皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。
神嘗祭は、両正宮に引き続き25日まで、

別宮を始め、摂社・末社・所管社に至るすべてのお社において行われます。

なお、両宮の内玉垣には天皇陛下から奉られた御初穂を始め、

各地の農家から寄せられた稲束(懸税かけちから)が奉献されます。」

神嘗祭|お知らせ|伊勢神宮

 

ちょっと具体的にはわかりにくいですね。

平たく言いますと、元来神嘗祭とは祭祀者である天皇天照大神にその年の新しいの実りを奉納し、

その年の収穫に感謝を捧げる祭事です。

 

721年(養老5)9月11日に元正天皇伊勢神宮に使を遣わして幣帛を奉って以来、

毎年、幣帛使が遣わされるようになったといわれます。

現在の奉幣がそれにあたりますね。


陰暦では9月17日、明治12年(1879)以降は10月17日に行われるようになり、

国祭日とされていました。

 

では、由貴夕大御饌・由貴朝大御饌とはどんな神事かといいますと、

アワビや伊勢エビなど約30品目も並ぶ夕食と朝食を神様に捧げることです。

カムナメ」は「カムニヘ」の転訛であるとも言われています。

「由貴」とは、この上なく貴いという意味があります。

 

↓がそのお食事メニューです。

(鳥羽・海の博物館展示より)

 

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さて、この神嘗祭には天皇陛下ご本人は伊勢に来られることはありませんが、

伊勢神宮祭主で天皇陛下の妹である黒田清子さんは

15日から17日までの3日間、内宮と外宮でそれぞれ、

由貴夕大御饌祭、由貴朝大御饌祭、奉幣に御奉仕をされます。

 

きっと伊勢の斎宮もこのように奉仕なさったのでは?

と妄想を広げてしまいます。

 

また、天皇が勅使を遣わせて参拝は直接なさらないのは、

上述しました奈良時代元明天皇からの伝統ですね。

元明天皇は神宮を整備した天武天皇持統天皇の長男の嫁で、

持統天皇とは父方では異母姉妹、母方では従姉妹にあたります。

 

神嘗祭の勅使は例幣使といい、

五位以上の諸王の中から選ばれ中臣・忌部らの官人がそえられたそうです。

 

かなり位の高い方が奉幣を行なっていたのですね。

このことからも、神嘗祭は朝廷でも重要な祭事のひとつであったことがよくわかります。

 

欧米の収穫祭であるハロウィンがすっかり定着した日本ですが、

古来からの日本の収穫祭であるこの神嘗祭にも思いを馳せていきたいものですね。

(まずは国祭日に戻してほしいなぁ…)

 

☆追記☆

今日の初穂曳に参加した友人から聞きましたが、

今年は自粛のため川曳は行なわずに、

初穂の奉納だけを行なったそうです。

来年は川曳も行なわれますように。。。祈願!

 

【神宮の神事】初穂曳~内宮・川曳~その後

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昨日、一昨日と、神宮の大事な行事のひとつである初穂曳をご案内して来ました。

 

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五十鈴川から内宮に上げられた初穂、

その行方を今日は追ってみましょう。

 

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↑初穂が乗った舟が引き上られるのはここです。

 (写真は初穂が奉納された後の様子)

 

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曳き手の皆さんは神苑の入口付近に集合して、

初穂のスタンバイを待ちます。

 

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初穂は皆と鳥居の見守る中、船から下ろされます。

参拝に来た方も見守ります。

 

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↑近くに行けなかったのですが、今度は車に乗せられてます。

外宮では曳き手が手に手に納めますが、

内宮ではこの状態で正宮へ向かいます。

 

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↑初穂の下ろされた舟。

令和初の初穂曳でしたので「令和」の文字が光りますね。

 

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↑曳き縄は綺麗に片付けられ、

舟もミニクレーンで仕舞われます。

ご苦労様でした。

 

外宮でもクレーン車を使って車は片付けられます。

(二番車は巨大ですので、もっと大きなクレーンです)

 

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さて、曳き手の皆様は初穂を先頭に正宮に向かいます。

 

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お邪魔になりそうなので、ここで御見送りしました。

 

さて、この時期には神宮ではもうひとつ見所があります。

それは↓こちらです。

 

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おわかりになりますか?

掛主税(かけちから)と呼ばれる稲穂が神殿に掛けられるのです。

 

これは、全国から奉納されたものだそうで、

初穂曳の日にはこの姿が、別宮などで見られます。

↑こちらは16日の月読宮です。

 

そして、この初穂曳の翌日は神嘗祭です。

 

伊勢では、8月末には新米が手に入りますが

古くからの神領民のお家の皆さんは

神嘗祭で神様が新米をお口にするまでは、新米は食べへん」と仰います。

 

ちなみに、天皇陛下は、国民が新米を口にするのを見届けてから大嘗祭で新米を口になさいますよね。

関東民はその認識が強いせいか、「ほぉ~」と関心しちゃいました。

 

皆さんも是非、生で初穂曳をご覧になってくださいね。

木遣り歌は是非とも現地で聞いてみてほしいです。

 

そしてこの季節のお土産は伊勢国の新米はいかがでしょう?

度会のお米が個人的にはお気に入りです。

水が綺麗なので、美味しいですよ。

新潟のガチ南魚沼に友人がいてそのお米をわけてもらったり、

親族が富山で一等米を育てているので、けっこうお米の味はわかる方なのですが、

度会のお米は甘みが強くて美味しいので、毎年楽しみにしています♪

 

お米の恵みに感謝、です。

【伊勢の神事】初穂曳~内宮・川曳~

伊勢神宮の大事な神事で、

毎年10月15日と16日に行われます

その年の初穂を神宮に奉納する儀式、

初穂曳についてご紹介したいと思います。

 

昨日に続きまして、今日は内宮の初穂曳です。

 

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内宮の初穂は五十鈴川の中を船で曳かれていきます。

そのことから「川曳」とも呼ばれます。

 

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スタート地点はおかげ横丁界隈よりも川上です。

浦田橋のそば。

野遊び茶屋の近くの駐車場対岸です。

 

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ここに内宮の神領民の皆さんが集合。

最初に出発式のようなものを執り行い、

クレーン車で船を河原に下ろします。

(昔は人の力で下ろしてたと、50~60代の方はおっしゃってましたので

 クレーン車になったのは比較的最近なのかもしれません)

 

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船についた二本の縄を曳き、川へと入ります。

毎年ここで悲鳴が上がります(笑)。

無駄に川の中に「つめたい!?」って聞いてしまいますが、

そりゃ冷たいですよね(笑)。

 

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去年は日も時折顔を出しましたが、台風明けで

五十鈴川も河原まで増水してました)

特に水温は低かったようです。

 

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木遣り歌と共に時折両サイドの縄を寄り合わせる動作などは外宮の陸曳と同じですが、

なんせ水の中ですから、ここで水しぶきが盛大に上がります!

時折水かけっこにも発展したり、

木遣りさんが景気付け(?)に水をかけてきたりします(笑)。

お祭りらしい威勢の良さがあって、

見てる分には楽しいです、見てる分には。

 

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この川曳は、陸曳と異なり、1つの船で初穂を納めます。

の全ての神領の町町が参加しますが、

その中で船係のような担当が1つの町に順番にまわってきます。

去年は二見がその担当でした。

船にはその町の幡が立てられます。

 

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陸曳の車とは装いも違いますね。

陸曳に見られる「太一」の文字がありません。

(どこかに書かれてるのかな?)

 

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水の中を行く姿は、大漁祈願の神事のようにも見えます。

 

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そしてここがポイント!

船が橋を渡る時はその真上にはいられません。

たもと側はOKです。

 

これは、神様のお食事の上に人間がいることを不敬とする故だと聞きました。

ですので、橋は一時通行止めになります。

 

この神事を知らずに参拝にいらした方は「なにごと!??」と騒然とします。

赤福本店横の橋でざわつくことが多いです)

 

観光客にアピールすることのほぼない地元の神事ですので、

そりゃそうですよね~。

聞かれたら私もその場で説明するのですが。

 

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船は3箇所の橋をくぐり、内宮を目指します。

 

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橋からの俯瞰の眺めもいい感じですので

橋はオススメスポットでもあります。

 

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去年はまだ川の水嵩が高かったので、時折浅瀬を選んでいました。

初穂曳は神事ですので、事故や怪我があるとその初穂を納めることができなくなるそうです。

(穢れの禁忌ですね)

それでもたまに溺れかけたりすることもあるそうなので、要注意です!

(知人で溺れかけたという話を聞いたことが、、、ごにょごにょ、、、いや溺れてはないからセーフですよ!)

 

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そして道中2度ほど休憩します。

焚き火も炊かれ、暖をとります。

 

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二回目の休憩はもう内宮の見えてくるあたり。

ここは禊も行なわれたりする場所で

特に緑が濃く美しいです。

 

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いよいよ境内に初穂が入ってきます!

宇治橋でスタンバイです。

 

宇治橋は人はくぐりますが船はくぐらないので真上でも大丈夫!

かなりのフォトスポットです!

 

ただ、2度目の休憩は長いので、けっこう待ちます。

たまたまお隣にいらしたおじいちゃまにお話し相手になってもらって

色々教えていただきつつ待ちます。

この日は川風が冷たく、冷えました。

 

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宇治橋の手前の幡の立つ位置から船は陸に上がります。

よく宇治橋を写真撮影する記念撮影スポットの辺りです。

 

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いよいよ初穂がやってきました!

 

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五十鈴川に各町の幡が翻り、美しい光景です。

 

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両側から縄を寄り合うのもこれがラスト!

気合がはいってますね。

 

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曳き手は縄が絡まないように宇治橋をくぐって大きく迂回しながら境内に上がります。

 

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船の行く道を縄が作り上げるイメージです。

 

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最後に木遣り歌が唄われます。

並んだ木遣りさんたちの姿が壮観です。

 

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そしてここから一気に船が引き上げられます!

けっこうな勢いです!

ここは一番危険だそうです(巻き込まれ注意です!)。

 

こうして初穂は内宮に奉納されます。

長くなりましたので、その様子はまた明日といたしましょう!

【伊勢の神事】 初穂曳~外宮・陸曳~

伊勢、そして日本の神道の神事で最も大事なお祀り…

それは神嘗祭だと思います。

 

キリスト教などの収穫祭にあたり、

一年の豊穣を神に感謝するお祀りですよね。

 

実は伊勢には神嘗祭に先立ってもうひとつ大事なお祭りがあるのです。

何だかご存知ですか?

そう、それが今日のテーマの初穂曳(はつほひき)です。

 

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初穂…その年の初めての稲穂を神様に奉納する神事です。

毎年10月15日に外宮へ

10月16日に内宮に曳き車で納められます。

 

外宮は陸路を運びこみますので

(おか)曳」とも呼ばれます。

 

残念ながら今年は「自粛」とのことで、関係者のみで行なわれるそうです。

 

去年の様子をどうぞご覧ください。

 

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この初穂曳が近くなりますと、境内に幡上げられ、

外宮はいつもよりも活気のある雰囲気になります。

去年の10月15日は晴天でしたので、眩しく幡が翻っていました。

 

この幡は、外宮の神領民のそれぞれの町の名が掲げられていています。

 

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↑スタート地点です。

外宮の参道と垂直に交わる道を初穂は曳かれていくのですが、

スタートはその道と今社の間になります。

陸曳きルート(交通規制案内図).pdf

 

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陸曳の奉曳車は3つに分けられています。

一番車は、かわいい幼稚園児たちと元気な若者・皇學館大學の学生さんたちが曳きます。

 

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奉曳車もそれぞれ異なるのですが、一番車は爽やかな感じです。

 

車を曳く足を止め、道の途中で木やり歌が歌われ、

二本出ている縄を縒り合わせる動作をするのですが

木やり歌も掛け声も爽やかです。

 

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二番車は外宮神領の町の大人たちが曳きます。

そう、外宮に立てられた旗の町町の皆様です。

木遣りの皆様も熟練で、掛け声もかっこいい!!!

 

それぞれの町の半被が色とりどりで、デザインも色々です。

 

ちなみにこの写真のポジション↓個人的にイチオシです。

唯一古民家を背景に撮れる、「萬金丹」前です。

 

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↑もちろん河崎の皆様も。旭通の方々みたいです。

いと志やにも半被があったので、この季節はカフェに飾っていたのですが、

自分も参加したかった~!!!

 

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二番車は、奉曳車も違います!

大きい!!!

 

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たっぷりの初穂が乗せられていますね。

 

↓そして、三番車です。

 

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三番車は、一日神領民の皆様です。

全国から応募可能です。

 

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そして、この一日神領民の皆様が一番人数が多いです!!!

お揃いの白い装束とあいまって、なかなかの迫力!

 

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もちろん伊勢の神領民がボランティアで色々御手伝いをしています。

 

↑車には米俵!!これは全国からの奉納米なのかな???

 

さて、奉曳車は、北御門から神宮境内へと入ります。

二番車の様子を見てみましょう。

 

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境内に入りますと、縄を高く掲げて曳きます。

そして縄は丁寧に巻き取られます。

 

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そして、車の上から初穂を下ろします。

 

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…けっこうな高さですね。

 

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そして、下ろされた初穂を曳き手の皆さんが手に手に、

トヨウケヒメ様の待つ正殿へと運び込まれるのです。

 

以上、写真をメインにざっくりと解説してみました。

明日は内宮の初穂曳をご案内しますね。

 

この行事は是非生で見ていただきたいな、と思います。

一日神領民で参加というのもオススメですよ^^

 ↓ご参考までに…

第48回 初穂曳

YOUTUBEに残されていた7年前の河崎の姿を発見!

以前もこちらのYOUTUBE動画をご紹介したことがあるかと思います。

全国の町や商店街を何年もの間撮り貯めていらっしゃる方で、

この情報は後々日本の貴重な資料となりえるレベルかと思います。

 

今はなき、河崎の商店街の姿も取り残してくれていまして、

それでそ私もこちらのYOUTUBERさんを知りました。

 

そして、今日今更気付いたのですが、

なんと!!!

河崎本通りの7年前の姿も残っていたのです!

 

www.youtube.com

 

↑ちょうどいと志やことN邸までがこちらに映っています。

 長四郎商店さんだったころの姿…素敵です(涙)

 

こちらは旧いと志やの交差点から、商人館方面↓

私も三重テレビさんの取材でレポーターさんと一緒に町歩きした辺りです。

 

www.youtube.com

 

↓他にも並行している通り(水濠の残るあたり)の様子や

https://www.youtube.com/watch?v=6uJu1Hh5l8I

 

数日前にご紹介したしんみちの商店街など色々な伊勢の顔を残してくれています。

satobo3104 - YouTube

 

こうして見ると、改めてこの7年で沢山の古民家がなくなったのを実感します。

今から、せめて映像だけでも残しておいた方がいいよね、と

歴史好き仲間の友人知人と話していたのですが、

既にこうして残して、しかも公開してくださってることに感謝です。

 

【伊勢の味をお取り寄せ】山村牛乳

伊勢のご当地牛乳です♪

いと志やのほうじ茶ラテはこちらの牛乳を使っていました。

 

いと志やのほうじ茶ラテは、友人知人にモニタリングをして

「甘すぎないほうじ茶ラテ」というコンセプトにしていて、

それにはこの山村さんの牛乳がぴったりでした!

牛乳のもつ甘みだけで理想の味だったのです。

 

いと志やレシピのほうじ茶、東京でも試しましたが

あの美味しさにはならないんですよ。

 

山村牛乳さんを採用しているお店は伊勢界隈に多いです。

河崎蔵珈琲さんでも山村牛乳さんを味わえます♪

 

パックや瓶の牛乳やヨーグルトは市内のスーパーに必ずありますが

(コンビニにも牛乳はほぼあります)、

やはり外宮参道の直営店でソフトクリームを食べたよ!という観光客の方も多いのでは?

と思います。

こうなると、

伊勢に来たことがある方なら誰でもご存知といってもいレベルでは?

と、思うのですが、この山村さん、

地方発送もしてくれます♪

 

伊勢・山村乳業

 

とりあえず牛乳プリンソフトをお願いするか思案中の私であります!(笑)

 

皆様もご自宅で伊勢の味はいかがでしょう?